買取できない中古車の特徴
- 執筆者 モータージャーナリスト 金子
- (@car_kaneko)
基本的にどのような車でも買い取ってもらえる車買取業者でも、買取ができない中古車があります。その車の特徴について具体的に知りたい方のためのページです。
本題に入る前に、車を高く売ることができる2種類のサービスをご紹介しておきます!
公式:【カーネクスト】
自分で複数の買取業者を競争させるならこれ!
公式:ユーカーパック
自分で競争させる必要なし!オークション形式で自動的に価格を上げるならここ!
こんな中古車は買取できない!
買取業者がたくさんある今、どのような中古車であろうともほとんどのものは売ることができます。
故障車、事故車、水没車、炎上車、過走行車など、何でも基本的には買い取ってもらうことができます。
これは、修理が可能ならば修理して国内や海外で流通させることができ、もし修理不可能な場合であっても解体して使える部品を取り出して中古部品として流通させることができ、もし中古部品として流通させられない場合にも資源としてリサイクルすることが可能だからです。
このような理由から、ほとんどどのような車でも買い取ることができます。
したがって、買取できないと査定される中古車はなく、多くの業者に依頼するうちにいくつかの業者が買い取ってくれることでしょう。
もちろん、破損の程度によっては買取不可能という査定をする業者もいるでしょう。
そのような業者は、おそらくは自社整備工場を持っておらず、外注の業者に依頼して修理したうえで販売しても、修理費の方が高くつくから買取不可能とするのです。
また、自社整備工場を持っていなければ、解体して部品取りをしたうえで販売ということも難しく、同様に買取不可能となることが多いです。
このため、売りたい車がボロボロであればあるほど色々な業者に査定を依頼したほうが良いと言えます。
そのほかの買取できない車
この他、買い取りに必要な書類や車のカギがない場合は買い取りの手続きができず、買取不可能となります。
とは言っても、必要書類は再発行が可能ですし、鍵も作ることができます。
必要書類とは、自動車車検証、印鑑登録証明書、自賠責保険証明書、自動車納税証明書、リサイクル券などです。
これらの書類は所定の機関で再発行をすることができます。自動車検査証は自動車のナンバープレートを管轄する陸運局で再発行が可能です。自賠責保険証明書は加入した保険会社に問い合わせると、再発行してもらうことができます。
自動車納税証明書は管轄の都道府県税事務所で再発行することができます(もし納税後に他の都道府県に引っ越しているならば、税金を収めた都道府県の税事務所に問い合わせます)。
これは、郵送でも可能です。また、自動車税を納付していない車は売却することができません。
鍵をなくしていると、エンジンを掛けることができないため査定を行うこともできません。そのため、車を買った店舗やディーラーに連絡し、どうすべきかを確認しましょう。
スペアキーならば紛失しても買い取ってくれる業者がありますが、キーレスエントリーやスマートキーをなくしていればマイナス査定になることが多いです。
改造車・事故車・不動車も買取してもらえる?
上述したように、車買取店では基本的にどんな車でも買い取ってもらえますが、車の状態によっては「本当に売れるの?」と不安に思う方もいるかもしれません。
そこで、ここでは改造車・事故車・不動車の買取事情についてご紹介していきます。
改造車(カスタムカー・ドレスアップカー)
「自分好みにカスタムしまくった車が、果たしてそのままの状態で売れるのかどうか…」と心配になる方も多いと思います。
しかし、改造車でも買取は十分可能です。特に、以下の場合は高額査定が期待できることもあります。
- 純正のオプションパーツでカスタムしている場合
- 人気ブランドのパーツでカスタムしている場合
改造車というと、社外パーツを取り付けた車というイメージがありますが、車種によっては純正のオプションパーツも充実しています。特に男性向けの車やスポーツカーなどは、オプションパーツが豊富です。
こうした純正パーツでカスタムしている車は、ノーマル車より査定額が上がる可能性が大きいでしょう。
また、社外品でも人気の高いパーツや希少パーツでカスタムしている場合はプラス査定になることがあります。
特にオーディオやカーナビなどは、純正品・社外品にかかわらず新しいものほどプラス査定が期待できますし、人気ブランドのエアロパーツやマフラーなども評価される可能性があります。
ただし、純正パーツを取り外している場合はしっかりと用意した上で査定を受けることが大切です。
また、あまり大衆向けではない個性的なカスタムをしている車は、一般の中古車買取店ではなく、改造車専門の買取店に持っていったほうが高く売れる可能性があります。
場合によっては、普通の買取店の査定額より数十万円アップすることもあるほどです。
せっかくお金をかけてカスタマイズした車ですから、なるべく高値で買い取ってもらえるよう、複数の業者に見積もりを依頼することをおすすめします。
査定に出すにあたって、改造車を無理にノーマルにもどす必要はありません。
簡単にもどせる状態であればいいのですが、そうでない場合は自分で作業することでネジがだめになったり、それが原因で査定の際に「修理した形跡あり」と間違われたりすることがあります。
面倒な作業が必要な場合は無理にノーマルにもどさず、純正パーツを用意した上でそのまま査定を受けるようにしましょう。
事故車
事故を起こしたことのある車でも、車買取店なら値がつく可能性は十分にあります。
車の査定では事故歴よりも、「修復歴」の有無のほうが重視されます。修復歴と修理歴はよく混同されやすいのですが、以下のような違いがあります。
修復歴 | 車の骨格部分の修理・交換をした経歴 |
---|---|
修理歴 | 骨格部分以外の修理・交換をした経歴 |
中古車の査定に大きな影響を与えるのは、修復歴です。骨格部分(フレーム)を直した車は「修復歴あり」となり、査定額がかなり下がってしまいます。
修復歴があっても見た目にはわからないことがほとんどですが、査定を受ける際は修復していることを正直に伝えることが大切です。
最初の査定では見過ごされたとしても、次の買い手がつく前には高確率でバレてしまいます。
虚偽の申告をすると、後から損害賠償や契約解除を要求されることもありますので気をつけましょう。
一方、骨格ではない部分の修理や交換だけなら、修復歴にはならないため、査定額にもそれほど大きな影響は出ません。
たとえば、ドアやバンパー、フェンダーなどを交換しても、車の外側のことなので「修理歴」にしかならないのです。
このように、事故車は修復歴があるかどうかによって買取価格が変わってきますが、走行に問題がない以上は中古車として販売できるため、一定の価格で買い取ってもらえます。
また、事故車は必ず修理に出してから売らないといけないわけではなく、「事故現状車」としてそのまま売ることも可能です。
修復可能であれば、業者が自社工場で直してから販売しますし、海外では多少状態の悪い車でも自走さえできれば売れることもあります。
ただし、買取店でも値がつかない場合は廃車専門業者に依頼するしかないかもしれません。
くわしく後述しますが、廃車専門業者なら面倒な廃車手続きを無料で代行してもらえるほか、使えるパーツが多い場合はいくらか値がつくこともあります。
不動車
不動車とは、事故や故障、バッテリー切れなどで動かなくなった車のことです。
「動かないのではさすがに売れないだろう」と思われるかもしれませんが、必ずしもそうとは限りません。
たとえば単にバッテリーが切れただけであれば、業者がバッテリー交換すればいいだけですし、車検が切れていても新たにとり直して販売します。
ただし、修理しても動かない状態であれば再販は難しいため、部品や鉄くずとして利用するしかありません。買取店で値がつかない場合は、廃車専門業者に依頼しましょう。
いずれにしても不動車である以上、引き取りのレッカー代が無料のところを選びたいものです。
買取できるかできないかの判断は買取業者に任せよう!
2017年9月、日本で開催されたサザビーのオークションで日本の納屋に40年間も放置されていたフェラーリ・デイトナ365GTB/4 が180万ユーロ(約2億3300万円)で落札されました。
このフェラーリはデイトナの中でも特別仕様車であることから異例といえる破格値がつきましたが、たとえ40年間放置したボロボロに見える車両でも専門家にとっては価値のある商品になるという良い例です。
これは量販車にも言えることで、所有者が廃車にするしか処分方法がない、と思うような車両状態でも買取業者にとっては価値のある車両である可能性は十分にあるのです。
買取業者にとって価値のある車両とは「再販して利益が出ること」が条件です。
エンジン回りの不具合で動かない車両でも安い修理で直り、再販で買取価格や修理費を含めた諸経費以上の金額で売れると判断すれば買取を行うのです。
再販ルートは国内だけではありません。買取業者の中には海外、とくに新興国への販路を持っているところも数多くあります。
国内では販売価格がつかない車両状態でも新興国における日本車の信頼度は高いため、十分な商品価値を持っています。
所有している車がどのような状態でも、いきなり廃車を考えずにまずは買取業者へ査定依頼することをおすすめします。
買取できない車の処分方法
逆に買取業者が買取を拒む場合は「修理して再販しても利益が見込めない」ことが理由になります。
全損事故や長年屋外放置していた不動車、水没車などが買取拒否の対象となり、これらの処分方法は廃車しかありません。
しかし廃車処分を所有者自ら行うのは大変な手間がかかります。廃車処分する際は廃車専門業者に依頼するのがベストです。
廃車専門業者の特徴は「解体で利益が出る」ことです。
買取業者が拒否するような車両状態でも解体して使えるパーツがあればリビルド品やリユース品として再販でき、全損車両でも最低、鉄くずとして利用価値が生まれます。
現在、廃車専門業者は積極的に営業を行っており、処分対象車は無料で引取を行う他、廃車に関するさまざまな手続きも無料となっています。
使えるパーツ類が多い場合は逆に買取価格をつけることもあります。
廃車専門業者は買取業者と同じくネットの 一括査定サイトで調べられる他、廃車専門の一括査定サイトもあります。(廃車専門業者)
業者によってサービス内容が若干変わってくるので、できるだけ複数の業者と交渉し、信頼できる業者に廃車処分を依頼してください。
まとめ
買取できない中古車の特徴についてご紹介しました。
「古いし走行距離も多いから、廃車にするしかない」と思っている車でも、実は買取店で買い取ってもらえる可能性は十分にあります。
特に日本車は海外での人気が高いため、国内ではなかなか売れないような車が高値で取引されることもあるのです。
ですから、自己判断で解体業者に持っていく前に、まずは買取店に査定を依頼することをおすすめします。
その際は、複数の業者の見積もりを一度にとれる「一括見積もりサイト」の利用が便利です。
可能性は低いですが、もしどの買取店でも0円査定だった場合は、廃車専門業者の見積もりをとりましょう。
そのほうが自分で廃車手続きをする手間が省けますし、場合によってはいくらかで買い取ってもらえることもあります。
いずれの場合でも、査定の際には「こんな状態の悪い車は値がつかないでしょうね」という弱気な態度を見せるのはNGです。
そうすると足元を見られ、相場より低い価格で引き取られてしまう可能性があります。
車はどのような状態であれ、価値がまったくの0円というケースは非常にまれです。まずは堂々と見積もりをとることから始めましょう。
あなたに合った売却方法は?
現在、車の売却方法は買取業者や下取りだけではなく、オークション形式や特定車種に強い買取店などさまざまな方法があります。自分に最も合った売却方法を選んで最も高く売れるようにがんばりましょう!
※人気車から不動車まですべての車に価値がありますので、どちらか一方又は両方に一度買取査定をとってみましょう!