車を手放す3つのメリットと節約効果
移動や買い物にとても便利な車ですが、一方で維持費がかかったり、必要に応じて修理やメンテナンスをしなければいけなかったりするなど、いくつかのデメリットもあります。
特に最近は、「お金がもったいない」「マイカー=もはやステータスではない」などの考えから、車を所有しない人が増えているようです。
ここでは、車を手放すことで得られる3つのメリットと、実際の節約効果についてご紹介していきます。
車を手放す3つのメリット
維持費がかからなくなる
車を手放すもっとも大きなメリットは、「経済的に楽になる」というものです。
車を所有すると、購入時の費用はもちろんのこと、ランニングコストもかなりかかってきます。
駐車場代やガソリン代はもちろんのこと、年に1度は自動車税も納付しなければいけませんし、2年に1度は車検に出す必要があります。
さらに、ローンで車を購入した場合は毎月の支払いもあるほか、タイヤ代、エンジンオイルの交換代などのメンテナンス費用もかかりますし、故障のたびに修理費用もかかってくるのです。
車を手放せば、これらのお金が一切かからなくなるのはやはり魅力的といえるでしょう。
事故を起こす心配がなくなる
車の運転には、交通事故を起こすリスクがつきものです。
一瞬の判断ミスが大きな事故につながることもありますし、ドライバーに落ち度はなくても歩行者が飛び出してぶつかってきたら、それはドライバーの前方不注意ということになってしまいます。
もしそれで誰かの命を奪ってしまうようなことがあれば、一生消えない罪を背負って生きていけなくてはいけません。
ちなみに、2016年の交通事故の発生件数は49万9,232件で、負傷者数は61万7,931人、死亡者数は3,904人と発表されています。
いずれも前年に比べると減少しており、特に死亡者数は1949年以来、なんと67年ぶりに4,000人を下回ったことになります。
とはいえ、交通事故の発生件数でみると、1日あたり1,000件以上の事故が起きているのが現状です。
車を手放せば、その加害者の一人になるリスクが大幅に減るのはメリットの一つといえるでしょう。
歩く機会が増えるため健康増進につながる
車を手放すもう一つのメリットが、健康増進です。
車を所有していると、ちょっとそのへんに行くのでもつい車を使ってしまう人が多いと思います。いったん車での移動に慣れると、歩くのが非常に面倒に感じてしまうものです。
ただでさえ運動不足になりやすい現代社会において、歩く機会すら失われてしまうと、肥満や生活習慣病のリスクが高まります。
実際、自動車保有台数の多い都道府県ほど、糖尿病の患者数が多いという統計も出ているほどです。
車を手放せば、いやでも歩く機会が増えることになりますので、以前よりも健康的な生活を送れるようになるかもしれません。
車の維持費は年間どれぐらい?
車を手放すメリットの中でも、もっとも大きいのが「お金がかからなくなる」ことだと思います。
それでは、実際に車の維持費はどれぐらいかかるものなのでしょうか。参考として、2つの調査結果をご紹介しましょう。
Goo.netの「カーユーザーレポート2012」
2012年に、中古車の情報サイトGoo.netが18歳以上の車所有者を対象に行なったアンケートの中に、「車の年間維持費」についての調査があります。
エリアによっても多少異なるのですが、全国平均は以下の通りです。
― | ガソリン代 | 任意保険料 | 車輌保証料金 | 駐車場代 | 点検・整備代 | 総額 |
---|---|---|---|---|---|---|
新車 | 97,434円 | 50,310円 | 44,089円 | 85,512円 | 39,476円 | 316,821円 |
中古車 | 100,305円 | 45,222円 | 40,603円 | 78,609円 | 43,230円 | 310,990円 |
※Goo.netカーユーザーレポート2012年間維持費(利用者平均)より
年間の維持費で特に大きいのは、ガソリン代と駐車場代です。特に首都圏の駐車場代は圧倒的に高く、年間10万円を超える結果となっています。
また、任意保険に加入すると年5万円近くかかるほか、途中で不具合が生じた時に無料で修理してもらえる「車両保証」の料金も、年4万近く払う人が多いことがわかります。
ただし、このアンケート調査には自動車税やローン代などは含まれていませんので、それらも合わせるとさらに金額は高くなります。
ソニー損保の「2016年全国カーライフ実態調査」
ソニー損保が毎年、18歳~59歳の車所有者を対象に行なっているアンケート調査があります。その中に「1ヶ月あたりの維持費」という項目がありますので見てみましょう。
ちなみに、ここでいう維持費とは「保険料、ガソリン代・燃料代、駐車場代、修理代など」です。
車種 | 軽自動車 | コンパクトカー | セダン | ミニバン | ステーションワゴン | SUV・クロカン | 全体 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1ヶ月の維持費 | 12,100円 | 12,900円 | 15,200円 | 14,800円 | 17,700円 | 15,000円 | 13,600円 |
車種によっても異なりますが、1ヶ月あたりの車の維持費の平均は13,600円です。
年で計算すると163,200円となるため、Goo.netの調査結果に比べるとかなり低いことになります。
Goo.netの調査は2012年のものになりますので、もしかしたら燃料代の違いが影響しているのかもしれません。
さらに、車の経費で特に負担に感じるものについての調査によると、「車検・点検費」がもっとも高く、次いで「自動車税」「自動車保険料」「ガソリン代・燃料代」という結果になっています。
このように見ますと、車の維持費は「ガソリン代・駐車場代・保険料・点検修理代」などだけでも月に13,000円以上、年で16万円以上かかることがわかります。
さらに、税金やローンの返済、高速道路代、消耗品代なども合わせれば、年50万円を超えることも決して少なくないでしょう。
やはり、日本で車を持つということはかなりお金がかかることのようです。
車を所有するとどんな手間がかかるのか?
車を所有することでかかるのはお金だけではありません。たとえば、以下のような「手間」もかかってきます。
- 洗車をする
- ガソリンを入れる
- 修理やメンテナンスに出す
- 出先で駐車場を探す
- 冬タイヤ・夏タイヤに履き替える(降雪地帯)
上記はほんの一例ですが、いずれも車を持たない人には一切かからない手間であるといえます。
また、最近は移動中も貴重な仕事時間として使う人が増えているせいか、「車の運転中はほかに何もできないのがストレス」と感じる人も多いようです。
たしかに電車やタクシーの中でなら仕事やメッセージのやりとりなどができますが、運転中は不可能ですね。
このように、最近は「車を持つとお金だけではなく時間もとられてしまう」という考え方が広まっているようです。
車を手放すことによる節約効果
車を手放すと、実際にどれだけの節約ができるのでしょうか。
上でご紹介したアンケート調査を参考に、「かからなくなるお金」をまとめてみました。
費用の種類 | 1ヶ月あたり | 1年あたり |
---|---|---|
ガソリン代 | 8,000円 | 96,000円 |
駐車場代 | 7,000円 | 84,000円 |
任意保険料 | 4,000円 | 48,000円 |
自動車税 | ― | 39,500円※1 |
車検代(重量税など含む) | ― | 50,000円※2 |
消耗品代 | ― | 50,000円 |
車のローン代 | 25,000円※3 | 300,000円 |
合計 | 44,000円 | 667,500円 |
※1:排気量1.5L超~2.0L以下の普通車の場合
※2:2年に1度、10万円を支払う場合
※3:普通車(新車)のローン月額の平均
非常にざっくりとした計算ではありますが、もし車のローンを月20,000~30,000円ほど払っている場合は、諸々含めて年50万円は下らないと思われます。
車を手放せば、単純にこれだけのお金が浮くことになりますから、節約効果はやはり高いといえそうです。
ただし、車を所有しなくなった代わりにかかる交通費についても考慮する必要があります。
バスや電車を使うなら圧倒的に安くなりますが、たとえばレンタカーやタクシーを使いまくったとすれば、せっかくの節約効果も半減してしまうでしょう。
ですから、住んでいる地域の交通事情や生活スタイルなども踏まえた上で、「本当に車を手放したほうがお得になるのか?」をじっくり考えてみることをおすすめします。
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