離婚時に車を売る際の3つの注意点
- 執筆者
- 行政書士Yurako法務事務所
- 行政書士 森本 由紀
離婚するときに、車を売却することを考えることも多いと思います。
離婚時には夫婦が他人になるだけでなく、氏名や住所も変わってしまうことがありますから、気を付けておかなければ手続きがスムーズに進まないことがあります。
ここでは、離婚時に車を売る際に注意しておきたい点を3つご紹介しますので、離婚と同時に車の売却を考えている方は、参考にしてください。
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1. 本当に車を売却した方が良いかどうか考える
婚姻中に夫婦で購入した車は財産分与の対象になる
離婚時に夫婦で使っている車がある場合、その車を購入する費用が婚姻中の生活費から出ているのであれば、その車は基本的に財産分与の対象となります。
財産分与するときの割合は、通常、夫婦それぞれ2分の1ずつとなります。
たとえば、車が夫名義で運転するのも夫だけという場合でも、妻も車に対し半分は権利を持っていますから、離婚するときに半分を要求することができます。
と言っても、車を2つに分けることはできませんから、これを売却して現金に換えて折半するという方法が考えられます。
車を売却せずに財産分与する方法もある
車の財産分与をする場合、必ずしも車を売却しなくてもかまいません。車をどちらかが引き継ぎ、車を引き継ぐ方が他方に車の価値の半分に相当する現金を渡す方法でも、車の価値を夫婦で公平に分けることが可能です。
たとえば、車の査定額が200万円の場合、夫が車を引き継ぐのであれば、妻に現金100万円を渡して清算することができます。もし夫が100万円の現金を持ち合わせていない場合には、離婚後に分割払いする取り決めをしてもOKです。
なお、分割払いなどで離婚時に清算が完了しない場合には、支払いがきちんと行われるよう、取り決めの内容を書面、できれば公正証書にしておくのがおすすめです。
そのまま車を引き継いだ方が良い場合もある
上述のとおり、離婚時に車を財産分与したい場合、売却しなくてもできる方法はあります。ですから、まずは本当に車を売却するべきなのかをよく検討しましょう。
たとえば、妻の側が幼い子どもを引き取る場合には、子どもの送り迎えなどで車を使いたいこともあると思います。
離婚後は、車のローンも簡単に組めない可能性がありますから、新しい車を買うよりも既にある車を引き継いだ方がメリットになることがあります。
もちろん、車を引き継ぐとなると、駐車場代、ガソリン代、保険料、自動車税、車検費用などの維持費がかかってしまうというデメリットもあります。
車を売却した方がいいのか、一方が引き継いだ方がいいのかは、メリットとデメリットを比較検討して決めるようにしましょう。
なお、夫婦の一方が車を引き継ぐ場合、車の名義が相手の方になっていれば、事故を起こした場合や税金の支払いなどでトラブルになることが予想されます。離婚する時点で、必ず名義変更手続きをしておきましょう。
2. できれば離婚前に車の売却を完了させる
離婚届を出す前に清算してしまうのが安心
車を売却することが決まったら、売却手続きはできるだけ離婚前に完了させるのが望ましいと言えます。
たとえば、車が夫名義になっている場合、夫に売却手続きを任せれば、忙しいのを口実になかなか手続きを進めてもらえない可能性があります。
車の売却の際には名義変更のために印鑑証明書などの書類が必要になりますが、離婚前であれば夫の印鑑カードを預かり妻が印鑑証明書を取りに行くなどといったこともしやすいはずです。
面倒な手続きやお金の清算は離婚前にすませておき、離婚後には可能な限り支払いなどが残らないようにしておきましょう。
名字や住所が変われば手続きも煩雑になる
車を売却するときには、車の名義変更が必要になります。離婚により車の名義人の名字が変わった場合、車検証と一致しないことになり、売却の際に戸籍謄本も用意する必要が出てきます。
また、離婚により住所変更することも多いと思いますが、この場合にも住所変更したことがわかる住民票を用意しなければなりません。
このように、離婚後に売却するとなると、手続きが若干煩雑になってしまうことがあります。車の売却や名義変更は、できるだけ離婚前に手続きしておくのが良いでしょう。
3. 離婚協議書を作成し財産分与について記載しておく
離婚協議書とは
離婚協議書とは、離婚時に夫婦間で取り決めした事項を合意書(契約書)にしたものです。
契約は口頭の約束だけでも有効に成立しますが、書面にしておかなければ、後になって言った言わないのトラブルになることが考えられます。
協議離婚の場合には、裁判所が関与せず話し合いのみで離婚を決めることになりますから、後々のトラブルを防ぐために、離婚協議書を作成しておくことが大切です。
離婚前に車の売却が完了した場合
離婚協議書には、養育費などの将来にわたる支払いの取り決めのほか、慰謝料や財産分与に関する事項も記載します。
離婚前に車を売却して財産分与が完了した場合には、離婚後に支払いなどの義務が残らないので、将来にわたる取り決め事項があるわけではありません。
しかし、このような場合にも、清算が完了してお互いに債権債務がないということを離婚協議書に明記しておくべきです。
というのも、財産分与は離婚後も2年間は請求できるので、相手が「財産分与はまだ終わっていない」と言って何らかの請求をしてくるリスクも考えられるからです。
車の売却が離婚後になってしまう場合
早急に離婚届を出したいなどの理由で、車の売却が離婚後になってしまうこともあります。このような場合には、離婚後に予定している売却がきちんと行われるよう、離婚協議書に約束事を書いておきましょう。
取り決めして書いておくべき事項は、車をいつ売却するのか、売却代金はどのような形で引き渡しをするのかなどになります。
まとめ
離婚時にどちらも車を引き継がない場合には、車を売却してお金に換え、折半する方法で財産分与することが可能です。
離婚時に車を売却するときには、できる限り、離婚届を出す前に手続きを完了させるのが安心です。
また、車の財産分与については離婚協議書に書いて残しておき、離婚後のトラブルを予防するようにしましょう。
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