車の下取りで損するしくみと下取りできないときの対処法
- 執筆者 モータージャーナリスト 金子
- (@car_kaneko)
下取りとは、新車(または中古車)に乗り換える際、これまで乗っていた車を購入先のお店に売却することです。
中古車販売店でも積極的に行なわれていますが、一般的に車の下取りといえば、新車を販売するディーラーでの下取りのことを指します。
ディーラー下取りのメリットは、手続きが楽なことと、スムーズに新車に乗り換えられることです。
そのため多くの人が利用しているのですが、実はほとんどの場合、愛車をかなり安く買い取られてしまっています。車の買取専門店と比べると、数十万円も損をしている方も決して少なくありません。
ディーラーではなぜ安く下取られてしまうのか?一般の方が知らない裏事情をくわしくご説明していきます。
本題に入る前に、車を高く売ることができる2種類のサービスをご紹介しておきます!
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目次
ディーラー下取りのメリット・デメリット
車の買い替えを検討している方の中には、そもそも「下取り」と「買取」の違いをよくわかっていない方も多いかもしれません。
せっかく大切に乗ってきた車を不当に安く売却しないためにも、まずは両者の違いからしっかり理解しておきましょう。
売却の種類 | 意味 | 行なっているところ |
---|---|---|
下取り | 次の車を購入するお店に、これまで乗っていた車を売却すること |
|
買取 | 単純に車を売却すること | 車買取店 |
事故車両など、状態が悪すぎて廃車にするしかない車の場合は、「スクラップ工場」や「廃車専門業者」(※廃車とは)などを利用するという方法もありますが、まだ中古車として価値がある車であれば、「ディーラーでの下取り」もしくは「買取店への売却」のいずれかを選ぶことが一般的です。
しかし、車買取店についてよく知らない方はまだまだ多く、新車を購入する人の6~7割がディーラーに下取りに出しているともいわれます。
そこで、まずはディーラー下取りのメリット・デメリットを見ていきましょう。
ディーラー下取りのメリット
手続きが楽
ディーラーの下取りには、「手続きが楽で、ユーザーの負担が少ない」という利点があります。
本来、車を売る際にはさまざまな書類をそろえて、新しい所有者に名義変更(移転登録)をする必要がありますが、ディーラーに下取りを頼めば、そういった面倒な手続きをすべて代行してもらえます。
スムーズに新車に乗り換えられる
車を乗り換える際、新車とこれまで乗っていた車をスムーズに入れ換えられないと、数日間車がなかったり、逆に2台保管することになったりしてしまいます。
その点、新車の購入先であるディーラーに下取りを頼めば、不便がないようにうまく車を入れ替えてもらえますので安心です。
新車を安く購入できる
ディーラーでの下取りは、普通の買取と違って、車の売却代金をそのまま現金で受け取ることは基本的にできません。
その代わり、次に乗る車の購入資金に自動的にあてられます。
さらに交渉によっては、新車の車両本体価格の10%程度を値引きしてもらえますので、よりお得に購入できる可能性もあります。
ディーラー下取りのデメリット
査定価格は買取店よりも安い
ディーラー下取りの最大のデメリットが、査定額の低さです。
いくつかの条件がそろった場合に限り、ディーラー下取りでも高値がつくことはあるものの、ほとんどの場合、買取店に持っていったほうが高い査定額を提示してもらえます。
ディーラー下取りが安い理由はいくつかありますが、端的にいうと「ディーラーは新車販売が本業であるため、下取りに力を入れる必要がないし、そのメリットもあまりない」という事情が大きいです。
一方、買取専門店は買取で利益を上げていますので、他店より少しでも多く車を買い取るために、査定額をできるだけ上げようと努力します。
さらに、買い取った車の流通網をしっかり整えているなど、車買取に関するノウハウが豊富です。
また、下のほうでもくわしくご説明しますが、ディーラーは基本的に「イエローブック」という中古車査定ガイドブックを基準に、下取り価格を出しています。
しかし実は、イエローブックに掲載されている市場価格は、実際の中古車の市場価格とはかけ離れていることも多いのです。
それに対し、買取店ではリアルタイムな市場価格をもとに査定していますので、ディーラーより高い査定額が期待できます。
事故車や年式が古い車は、特に安く下取られる可能性がある
ディーラーで比較的高く下取りしてもらえるのは、年式がまだ新しく、走行距離も少ない、状態のいい車です。
一方、事故車や年式の古すぎる車、走行距離が10万km以上の車などは、積極的に下取りしてもらえない傾向がみられます。
もっとも、ディーラーでは新車購入が前提となっているだけに、いくらかの値段で下取りしてもらえる可能性はありますが、不当に安すぎたり、場合によっては「手数料無料で廃車にしますよ」と提案されたりすることもあります。
しかし、実はディーラーでは0円査定だった車でも、買取店に持っていけば驚くような値がつくことも少なくありません。(※買取価格0円の車の特徴)
たとえ日本では価値がない車であっても、海外では需要があることも多いため、中古車市場を熟知している買取店では適正な価格で買い取ってくれる可能性が高いのです。
以上のことから、状態の良くない車ほどディーラー下取りではなく、車買取店に持ち込むことをおすすめします。
「新車の値引き+下取り車の査定額」が合算される
上述したように、ディーラー下取りを利用すると、車の査定額分が差し引かれることで、新車の購入費用が安くなります。
しかし裏を返せば、「新車の値引き」と「下取りの査定額」が合算されてしまうことで、内訳がうやむやになりやすいというデメリットもあるのです。
そもそも新車には、メーカーの希望小売価格というものがあるため、ディーラーが好き勝手に値引きすることはできません。
あまり値引きしすぎてしまうと、メーカーからディーラーに入るマージンが少なくなりますので、値引き額には限度があるのです。
たとえば、200万円の新車を購入したがっているお客さんがいたと仮定しましょう。
この車の車体値引きの限度額は20万円、そしてお客さんが現在乗っている車の下取り査定額が30万円だったとします。合計すると、値引きできるのは最大50万円です。
この総額は変えられませんが、営業マンは内訳を変えることができます。
たとえば、「今回は特別に40万円で下取らせていただきます!」と説明されれば、お客さんは「けっこう古い車なのに、そんなに高く下取りしてもらえるんだ!」と喜ぶのですが、実はその分、車体値引きが「20万円→10万円」に下がってしまうだけなのです。
もしくは逆に、車体値引きをアップするように見せかけて、下取り査定額を低くする場合もあります。
いずれにしても、値引きの総額は同じ50万円です。お客さんにとっては不明瞭でわかりにくいですし、別にお得になるわけでもありません。
それなら、新車は新車で値引きしてもらって、車はより高く買い取ってくれる買取店で売ったほうがずっとわかりやすく、しかも得をする可能性が高いはずです。
手数料がかかることもある
ディーラーの下取りでは、手数料が発生する可能性があります。
メリットの項でご説明したように、ディーラーに下取りしてもらうと、面倒な名義変更の手続きを代行してもらえるのですが、その手数料として1万~2万円程度かかることがあります。
さらにディーラーによっては、「査定料」も徴収されることがあります。
しかも、特にそれについての事前説明はなく、後から見積書を見てわかるケースも多いため、下取りにかかる手数料についてはあらかじめ確認しておくことをおすすめします。
ちなみに買取店でも、名義変更の手続きはすべて代行してもらえますが、手数料がとられるお店はほとんどありません。もちろん査定も無料です。
ディーラーの下取りでは、実は莫大な利益が生じている!?
ディーラーの下取りが安いのは、ディーラーは新車販売が本業であり、下取りに力を入れるメリットがあまりないからだ、ということを上でご説明しました。
それでは、ディーラーは下取りした車でさほど利益を出していないのでしょうか?その答えは、実はNOです。
ディーラーが下取りした車の行方は、大きく分けて以下の2つあります。
- 系列の中古車販売店で売られる
- オートオークションで売られる
①は、メーカー系列の中古車ディーラーに、そのまま商品として並べる方法です。
メーカーの看板を掲げる中古車ディーラーは、取り扱う中古車の品質が比較的高い上、保証やアフターサービスなどが充実しているというメリットがあります。ただし価格は、ほかの中古車買取店よりも高めです。(参考:中古車販売店の特徴比較!)
ディーラーで下取りした車の中でも、状態の良いものや人気車種などは、このような系列の中古車ディーラーの商品として陳列されます。
問題は、状態がそれほど良くない車です。年式の古い車や、走行距離の多い車などは中古車ディーラーの商品として売りにくいため、多くは②の方法が選択されます。
オートオークションという、業界のオークションへの出品です。
一般人がほとんど知らない、オートオークションとは?
画像引用:USS公式キャプチャ
オートオークションは、ヤフオクのようなものとはまったく異なります。一般の人は参加できない、業界専用のオークションです。
メーカー系列の「TAA(トヨタオートオークション)」や「ホンダオークション」などをはじめ、一般社団法人の「JU(日本中古自動車販売協会連合会)」、民間企業の「USS (Used Car System Solutions)」「HAA」「CAA」「ベイオーク」など、国内には多数のオートオークション会社があります。
それぞれの会社が、全国各地にオークション会場を設けているのですが、その総数は実に200か所以上。そこで、毎週中古車のオークションが行なわれており、ディーラーや中古車販売店、輸出業者、海外バイヤーなどが多数集まって「競り(せり)」をしているのです。
ちなみに、この会場には車の関連業者以外の人は立ち入りできません。
「古物商許可証を受けてから1年以上経過していること」など、各会社によって入会条件が厳しく規定されています。
このようなオートオークションで取引された中古車が、巷の中古車販売店に並んでいるわけですが、ここで大事なポイントが1つあります。
それは、「オートオークションの総取引台数のおよそ3分の1は、輸出業者によって落札されている」という事実です。
日本車は性能がいい上、大切に使われていますので、海外では10万km超えでも関係なく人気があります。むしろ「車は10万km乗ったら寿命」という日本人の考えは、世界の中でも珍しいのです。
つまり、ディーラーでタダのような値段で下取りされた古い車も、実はオートオークションではまともな値で取引されているという現状があります。
「こんな状態の悪い車は、いくらかでも値がついたらラッキー」くらいに思っていた車が、実際はオートオークションではそれなりの高値で取引されているのですから、それを知ったらお客さんはびっくりです。
しかし、オートオークションの存在は一般の人にはあまり知られていません。
それもそのはずで、オートオークションでの相場が一般に知られてしまうと、中古車業界が利益を得る仕組みが丸わかりになってしまい、商売に支障が出てしまうからです。
車の買取専門店も、なるべく安く車を買い取ってオートオークションで売り、利益を上げることで経営を成り立たせています。
ただし買取店は、ディーラーと違って「買い取ってなんぼ」の商売ですし、業界の競争も激化していますので、ディーラーの下取りに比べると高めに買い取ってくれることは確かです。
一方、ディーラーは買取店よりかなり安く下取りした上で、結局は買取店と同じくオートオークションを利用しています。
つまり、買取が本業ではないとしつつも、下取り車でかなりの儲けを得ているのがディーラーなのです。
しかも、ディーラーは新車販売でも利益を出していますから、二重においしいということになります。
それではなぜ、ディーラーの下取りは安いのか?
ここで、「ディーラーもオートオークションで儲けているなら、下取り価格をもっと高くしてもいいのでは?」という疑問を抱く方も多いと思います。
しかし、ディーラーにはそれが難しい、ディーラーならではの事情があります。
ディーラーの下取り査定は、買取店と基準が異なるから
買取店は、オートオークションの市場価格を基準に買取価格を決めています。
最近は、インターネットからもオートオークションにアクセスできますから、車種やグレード、年式などを入力すれば、その車の市場価格をいつでも知ることが可能です。
これをもとに、利益が出る範囲内で買取価格を提示しています。
一方、ディーラーでは基本的に、日本自動車査定協会(JAAI)が毎月発行する「イエローブック」という本を参考に査定額を出しています。
イエローブックは、中古車査定のガイドブックで、こちらもオートオークションの市場平均価格を参考に作成されているものです。
それなら、なぜディーラーの下取りは買取店よりだいぶ低くなってしまうのでしょうか?
それは、イエローブックに掲載されている平均取引価格に「輸出業者」の存在が反映されていないからです。
上でご説明したように、実際のオートオークションでは輸出業者による落札が全体の3分の1近くを占めています。
しかし、イエローブックは日本国内の業者間の取引のみを対象としているため、市場価格がリアルに反映されているわけではないのです。
輸出業者は、日本国内では売れないような状態の中古車でも高く買い取りますので、この数値が反映されていないだけで、イエローブックの基準は実際の市場価格とはかなりかけ離れたものとなっています。
これが、ディーラーの下取りが買取店と比べて低くなる大きな原因の一つです。
ちなみに、買取店ではオートオークションの市場価格をほぼすべての社員が把握していますが、ディーラーでは一部の上の人(支店長クラス)しか知らないといわれています。
ですから、普段お客さんに応対する営業マンは、イエローブックの基準だけで査定を行なうことに特に疑問を感じていない可能性も考えられます。
しかし、本当の市場価格をなんとなくでも知っている営業マンであれば、こっそりと「うちで下取りに出すよりも、買取店で高く買い取ってもらったほうがいいですよ」とアドバイスしてくれることもあります。
高値で買い取ると、新車購入に結びつかないから
もう一つ、ディーラーの下取りが買取店より安い理由の一つに、「新車の営業に支障をきたすから」というものがあります。
確かに、オートオークションでは年式の古い車や状態の良くない車でも、それなりの価格で取引されています。
しかし、だからといってそのような車を市場価格に合わせた値段で正直に下取りしてしまうと、お客さんに短いスパンで買い替えてもらえなくなる可能性があるのです。
ディーラーは、お客さんが5年くらいの間隔で新車に乗り換えてくれることを理想としているため、「5年落ち以上の車の価値は暴落する」ということを営業トークとして使いたがります。
つまり、「これ以上価値が落ちる前に下取りに出して、もっといい新車にお得に乗り換えませんか?」ということです。
そのために、ディーラーの下取り査定では「年式の古い車ほど価値がなくなる計算式」が使われています。
イエローブックに基づいて査定額を決めているのは、新車販売から5年くらいまでの車で、それ以上になると下記のような計算式を用いるのです。
下取り基準額=新車時価格−(新車時価格×使用年数×0.1)
この計算式は、「1年たつごとに新車時の価格から10分の1ずつ価格が下がっていく」ことを示しています。
たとえば新車時価格が200万円だった車は、5年たった時点でちょうど半分(100万円)、6年たてば80万円、7年たてば60万円になるということです。
この数値をもとに、ディーラーは「早く新車に乗り換えたほうがお得ですよ!」と営業をかけます。
そう言われたお客さんも、「これ以上、今の車の価値が落ちる前に下取りに出して、新車に買い替えたほうがいいかなあ」と思ってしまうのです。
ところが、実際は異なります。確かに5年目までの車は、だいたい上の計算式どおりに価値が下がっていくのですが、それ以上になると下がり方はゆるやかになっていきます。
しかし、それを正直に査定額に反映してしまうと、「6年乗ろうが7年乗ろうが同じじゃないか」とお客さんが判断しかねませんので、5年目以降の車は強引に上の計算式にあてはめて、価値を下げなくてはいけないのです。
これは、定期的に新車に乗り換えてほしいディーラーならではの事情といえるでしょう。
ディーラーの下取り事情まとめ
ここで、ディーラーの下取りのしくみを簡潔にまとめてみます。
- 5年目までの車はイエローブックの基準で査定する
- 5年以上の車には、独自の計算式でより安い査定額を算出し、新車購入の意欲をあおる
- 下取りした車は、状態が良く需要が高いものなら、メーカー系列の中古車販売店で売る
- 状態の良くない車や古い車は、業界のオートオークションで売る
- 新車販売の利益と合わせて、二重の利益が出る
一方、買取店のシステムは以下の通りです。
- 常にオートオークションの市場価格をもとに査定額を出す
- 必然的に、ディーラー下取りよりも高い査定額になる
- 買い取った車は、自社販売またはオートオークションで売る
- 利益は売却代金のみ
ディーラーの下取り価格が買取店に比べて安い理由が、だいぶ見えてきたのではないでしょうか。
基本的に、ディーラーで高く下取りしてもらえるのは、「新車購入から5年以内で、キズや修理歴などがなく、走行距離も少ない車」です。
もしくは、決算期や月末などでノルマ達成に苦しんでいる営業マンが担当についた場合、なんとしても新車購入してもらうために、通常の下取りではありえない高額査定を出してくることもまれにあります。
しかしほとんどの場合は、ディーラーよりも買取店のほうが高く買い取ってくれるはずです。
ところが実際は、新車に乗り換える際、特に深く考えることなくディーラーに下取りに出してしまう人がまだまだ多い現状にあります。
その一因はおそらく、ユーザーがディーラーに対して「絶対的なブランド感・安心感」を抱いていることです。
その辺で派手な看板を出している買取店よりも、昔からある名の知られた自動車メーカーのディーラーで下取りしてもらったほうが、査定額も適正だし、色々と安心なはず-という思い込みのようなものが、多くの人の中にあると思われます。
もしくは、「別にどこで売ったってかまわないんだけれど、自分で買取店を探して足を運んで、交渉するのが面倒だから」という方も多いかもしれません。
しかし、もし買取店に持っていくだけで、10万~20万も査定額がアップするとしたらどうでしょうか?
場合によっては、それ以上の差が出ることもあります。その分のお金を、新車やオプション品などの購入費用にあてることもできるはずです。
なるべくお得に車を買い替えるためにも、これまで乗っていた車の売却と、新車の購入は基本的に別ものと考え、まずは買取店に査定してもらうことを強くおすすめします。
参考:愛車を最も高く売る方法は?5つの売却方法から導き出した最良の手段
車を売りたい方は1度は利用する定番の一括査定サイトです。ガリバーやカーチス、アップル、カーセブンなど大手どころに一括で見積もりをとることができます。ここさえおさえておけば他のところで見積もりを取る必要は特にありません。
買取とは違い下取りできない場合もある!
買取業者に買取を依頼する場合には、事故車や故障車、不人気車などのあらゆる車を売ることができます。
これは、買取業者は独自の広い販路を持っているため、色々な車で利益を取ることができるからです。
たとえ国内では全く需要が見込めないような不人気車でも、海外に輸出することで売ることもできるのです。
しかし、下取りの場合にはそうはいきません。下取りした車を自社で販売することも多いのです。
販路はせまく、店舗周辺のエリアが主な販路となります。これでは、オートオークションで全国的に顧客を見つけるよりも販路が非常に狭くなります。
下取りできないと言われる可能性がある車
下取りできない車の特徴
- 不人気車
- 事故車
- 故障車
- 法律違反車
- 必要書類が再発行できない
不人気車を買い取ってしまえば、いつまでも売れずに陳列され続けることとなり、維持するためのコストがかかるばかりです。
また、もし事故車や故障車を中古車として展示するならば、当然ながら修理したうえで展示しなければ売れることはありません。
そのため、狭い販路にたいして販売しているにもかかわらず、修理をしてから売ることが前提となるため、利益を生み出すまでに抱えるリスクが非常に大きくなるのです。
このため、ディーラーの中には不人気車は下取りできないとしている業者もあります。
事故車や故障車も、程度がひどければ下取りはできません。これらが下取りできない車の特徴と言えます。
法律違反になる改造をしている場合も、買取った後部品交換等で法律を遵守することもできなくはないのですが、しっかりとした業者ほど、こういった改造車は排除する傾向にあります。
また車検証など、本来であれば紛失したとしても再発行できる書類ですが、何らかの理由で再発行ができない場合も下取り不能とされるケースが多いです。
下取りではなく買取を!
もしそのような車を下取りに出してしまうと、はっきりと下取りできないと伝えられるばかりか、廃車料を下取り料金という名目で請求されることになります。
新車を安く買うために下取りに出したはずなのに、お金を請求されるという悪い結果に陥ってしまうのです。
したがって、そのような車は下取りに出すべきではありません。複数の買取業者に依頼して査定してもらい、事故車や故障車、不人気車でもできるだけ高く買い取ってくれる業者を探して売りましょう。
特に、外国車ゆえに不人気であったり、事故車や故障車であるゆえに買取が難しい場合にも、それらの車に特化して買取を行っている買取業者に依頼することによって、いくらかのお金になることでしょう。
外国車などは、特別な販路を持っている業者が思わぬ高額で買い取ってくれることもあり得ます。
このように、下取りは多くの場合において買取よりも不利な条件で買い取っています、そのため、新車に乗り換える場合でも、一旦買取業者に買い取ってもらい、その料金を新車に充当する方がお得になることでしょう。
下取りも買い取りもできない車の処分方法
ディーラーの下取りでは出費が発生し、買取業者からは拒否された中古車の処分方法は廃車しかありません。
この廃車処分を面倒に思って怠っていると、その期間が長くなるほどムダな費用が発生します。
廃車処分しか方法がない中古車でもナンバーがついている限り自動車税や重量税、強制保険や任意保険が経過期間に合わせて消費されるだけでなく、車検期間をまたぐと車検を受けなくても税金や強制保険費用が発生します。
処分方法が廃車しかない場合は早めに手続きする必要がありますが、これをユーザーが行うのは確かに手間と時間、さらに費用がかかって不経済です。
ユーザーが自分で廃車処分するには最初に解体工場へ持っていき、解体後には永久登録抹消するために以下の書類や手続きが必要です。
廃車の必要書類
- 車の所有者の印鑑証明書(発行から3ヶ月以内のもの)
- ナンバープレート(前後2枚)
- 車検証
- 解体報告記録日と移動報告番号(メモで可)
- 手数料納付書
- 永久抹消登録申請書
- 自動車税納付書
これらを準備(手数料納付書と永久抹消登録申請書は陸運局で記入)して陸運局に行き、手続きをしなければなりません。
加えて強制保険や任意保険の手続きもしなければならず、さらに車検証がない、車検証に登録している住所と所有者の住所が異なっている、といった状況になると手間はさらに煩雑になります。
廃車専門業者に依頼すれば手間も費用も節約できる!
廃車処分に手間をかけたくなければ、廃車専門業者に依頼するのがベストです。
下取りや買取が不可能な車両でも解体工場を持っている廃車専門業者は使える部品をリビルド品(検査済みの中古部品)やリユース品として再販することができ、まったく部品が使えない車両でも最低限、鉄くずの商品価値があるので無料で引き取っても利益を出すことができるのです。
廃車専門業者は廃車対象となる車両をレッカーで引き取った後、各種手続きを無料で行ってくれる他、自動車税や強制保険に残月があると月割分を返金してくれます。
また使える部品が多くあると判断すれば無料引き取りだけでなく買取価格をつけてくれる場合もあります。
近隣の廃車専門業者を知らない、あるいは見当たらないという場合はネットの廃車一括査定サイトを利用すると便利です。
ユーザー所在地の近隣にある廃車専門業者複数が査定額をつけてくるので、その中からもっとも高値で信頼できる業者を選べば廃車処分の手間と費用が節約でき、しかも買取価格を手にできる可能性もあります。
自分で廃車処分しようとせず、まずは廃車専門業者に査定依頼することをおすすめします。
あなたに合った売却方法は?
現在、車の売却方法は買取業者や下取りだけではなく、オークション形式や特定車種に強い買取店などさまざまな方法があります。自分に最も合った売却方法を選んで最も高く売れるようにがんばりましょう!
※人気車から不動車まですべての車に価値がありますので、どちらか一方又は両方に一度買取査定をとってみましょう!