車の名義人死亡により名義人以外が代理で廃車する方法
車の名義人が亡くなった場合、必然的に名義人以外の人が代理で車を処分することになります。
ただしそのままの状態で廃車にすることはできませんので、まずは相続人への名義変更が必要です。
名義人が亡くなった車の正しい廃車方法についてご説明します。
名義人が亡くなった車は、他人が勝手に処分できない
名義人が亡くなった車を廃車にするためには、まず相続人に名義変更する必要があります。
名義人が生きている場合は、わざわざ名義変更しなくても名義人が「委任状」を作ることで、第三者が手続きを代行できるのですが、亡くなっている場合はそれができません。
ですから、名義変更をして車の所有者を変える必要があるのです。
また、亡くなった人の車を引き継げるのは基本的に法定相続人のみとなっています。
名義人が生きている場合は、本人の意思で血縁関係のない第三者に譲渡することもできますが、亡くなっている場合は車が「遺産」となるため、赤の他人がもらうことはできないのです。
ちなみに、法定相続人が一人もいない上に遺言もないような場合は、遺産はすべて国の所有物となります。
ただし、故人と生計を同一にしていた人(内縁の妻など)や、生前に看護や介護をしていた人、それ以外でも特別親しくしていた人がいる場合は、「特別縁故者」として家庭裁判所に財産分与請求を申し立てることができます。
相続人に名義変更する方法
車の名義を相続人に変更するためには、以下の手順を踏みます。
1.車を相続する人を決める
法定相続人が複数いる場合は、「誰が車を相続するか」を話し合って決めることから始めます。
1人しか相続できないわけではなく、複数の相続人で相続することも可能です(共同相続)。
こうした遺産分割の協議は、法定相続人全員で行わなければいけません。一人でも欠けた状態で進めると、後から無効になってしまうことがありますので注意しましょう。
協議の結果、財産の分割方法が決定したら「遺産分割協議書」を作り、法定相続人全員が署名と捺印をします。
遺産分割協議書は正確に作成する必要があるため、できれば行政書士や司法書士などのプロに任せたほうが確実です。
2.必要書類をそろえる
次に、名義変更に必要な書類を用意します。基本的には以下のような書類が必要です。
戸籍謄本 | 亡くなった人と相続人の関係がわかるもの |
---|---|
除籍謄本 | 所有者の死亡が確認できるもの (戸籍謄本で確認できる場合は不要) |
相続人の印鑑登録証明書 | 複数の相続人がいる場合は、全員分が必要 |
車庫証明書 | 亡くなった人と同じであれば不要 |
その他、名義変更に必要な書類一式 | 自動車検査証・自動車税申告書・申請書・手数料納付書など |
上記のほか、第三者が名義変更を代行する場合は、相続人の実印を押印した「委任状」も必要になります。
複数の相続人で共同相続する場合も、直接手続きに行かない人の分の委任状が必要です。
また以下のケースでは、必要書類が少し異なります。
複数の相続人のうち1人が車を相続する場合
「私が車を相続することになりましたよ」ということを示すために、「遺産分割協議書」も追加で必要です。
軽自動車の場合
軽自動車の場合は、「印鑑登録証明書」や「遺産分割協議書」は必要ありません。その代わり、相続する人の認印を持参します。
車の査定額が100万円以下の場合
車の価値が100万円以下の場合は、複数の相続人がいても「遺産分割協議書」は不要です。
代わりに、より簡略化された「遺産分割協議成立申立書」という専用の用紙を提出します。
また、印鑑登録証明書や戸籍謄本なども、実際に車を相続する人の分だけでOKです。
3.陸運支局で名義変更の手続きをする
必要な書類がそろったら、車を管轄する陸運支局(軽自動車の場合は軽自動車検査協会)へ足を運んで名義変更をします。
車の名義変更は、正確には「移転登録」といいます。無事に手続きが済んだら、新しい所有者の名前が載った車検証が交付されます。
以上をもって、故人の車は新所有者のものとなりますので、自由に廃車にすることが可能です。
もし新所有者以外の第三者に廃車を任せたいなら、新所有者が委任状を作る必要があります。
廃車にする方法
廃車(永久抹消登録)する際は、まず先に車の解体が必要です。
そして解体が終了してから、普通車は陸運支局、軽自動車は軽自動車検査協会で永久抹消登録を行ないます。
必要書類は以下の通りです。
所有者の印鑑登録証明書 | 発行から3ヵ月以内のもの |
---|---|
実印 | 印鑑登録されてあるもの |
車検証 | ない場合は「理由書」の提出が必要 |
使用済自動車引取証明書 (リサイクルB券) |
災害などで車が消失した場合は、代わりに「罹災証明書」が必要 |
前後2枚のナンバープレート | ない場合は「理由書」の提出が必要 |
永久抹消登録申請書 | 運輸支局に置いてあるもの |
手数料納付書 | |
自動車税・自動車取得税申告書 | 税事務所に置いてあるもの |
上記は普通車の場合で、軽自動車では「印鑑登録証明書」や「実印」は不要です。代わりに、所有者の認印を持参します。
これらの書類を持って永久抹消登録(軽自動車の場合は「解体返納」)の手続きをしたら、隣接する税事務所で申告し、自動車税の課税をストップしてもらいます。
年度途中で廃車する場合は、後日残り期間分の自動車税が月割で還付されます(軽自動車税は還付されません)。
また、車検の有効期間が1ヶ月以上残っている場合は、普通車・軽自動車を問わず「自動車重量税」や「自賠責保険料」も還付されますので忘れず手続きしましょう。
重量税は永久抹消登録(解体返納)と同時に申請できますが、自賠責保険料は保険会社への連絡が必要です。
車をお得に廃車するためには?
車を廃車(永久抹消登録)する方法は、「自分で行なう」か「業者に頼むか」の2つに大きく分かれます。
自分で行なう場合は、まず解体業者に車を持ち込んでスクラップにしてもらった後で、陸運支局(軽自動車の場合は軽自動車検査協会)へ行って永久抹消登録の手続きをします。
ただしこの場合、解体業者によっては解体手数料やレッカー代などがかかる上、自分ですべての手続きをしなければいけないため、メリットはそれほどありません。
一方、業者に頼む場合は「廃車専門買取業者に買い取ってもらう」のが最近人気の方法です。廃車専門買取店なら、廃車になる車をいくらかで買い取ってくれる上に、面倒な永久抹消登録の手続きも無料で代行してもらえます。
ただし、実はまだ中古車として売れる可能性もありますので、まずは中古車買取店に査定に出し、0円査定であれば廃車専門買取店に持っていく、というステップを踏むのがおすすめです。
少しでもお得に車を処分したいなら、廃車手続きは自分で行なわず、買取店に相談するようにしましょう。
まとめ
名義人が亡くなった車を第三者が代理で廃車する方法についてご紹介しました。
どのようなケースでも、まずは法定相続人への名義変更が先決です。名義変更さえ完了すれば、さらに別の人に廃車手続きを代行してもらうこともできます。
廃車は意外と手間と時間がかかりますので、できれば誰かに任せたほうが楽です。
廃車専門買取店なら手数料無料で代行してもらえる上に、廃車にも値段をつけてくれるため、ぜひ検討してみることをおすすめします。
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